「お天気いいから、今日はお散歩にしようかな」
「子どもたちと、もっと散歩を楽しみたいな!」
保育園のお散歩は、子どもたちにとって大切な学びの時間です。
しかし、安全への配慮や引率の難しさ、公園などでの遊びのマンネリ化といった悩みを持つ
保育士さんもいるのではないでしょうか?
この記事では、保育における散歩のねらいを再確認し、散歩中や公園での楽しみ方、安全に
配慮したポイントを、わたしの経験を交えてご紹介します。
【年齢別】保育における散歩の「ねらい」

散歩のねらいは、子どもの発達段階によって異なりますよね。
ここでは、以下の年齢別に分け、重要となるポイントを解説します。
- 0~1歳児
- 2~3歳児
- 4~5歳児
0~1歳児:五感を使い、外の世界に触れる
この時期は、五感をフルに活用して、身の回りの世界を認識することが主なねらいです。
【主なねらい】
風の音、日差しの温かさ、自然物の感触に触れ、五感を刺激し感覚を養う。 |
ハイハイやあんよで探索活動を楽しみ、身体の動きを促す。 |
目に入ったものを指さしたり、近づいたりする中で、好奇心を育む。 |
2~3歳児:好奇心と身体能力を育む
行動範囲が広がり、言葉も増えてくるこの時期は、心と体の成長を促すねらいが加わります。
【主なねらい】
電車やトラック、草花や昆虫など、身近な発見を通して、知的好奇心を育む。 |
公園までの道のりを自分で歩く、公園で思いっきり走るなど、全身運動の機会を設ける。 |
信号や横断歩道の意味を知り、保育者と一緒に、ルールを守って行動する経験を積む。 |
4~5歳児:社会性と主体性を育む
自分の気持ちと言葉で表現し、友だちとの関わりが深まるこの時期は、より高度なねらいが
あります。
【主なねらい】
友だちと手をつないだり、遊具を順番に使ったりし、協調性やルールを守る大切さを学ぶ。 |
季節の変化に気づいたり、生き物や植物を観察したりし、自然への興味や関心を深める。 |
遊びの内容を自分たちで決めたり、展開させたりし、主体性やコミュニケーション能力を高める。 |
散歩中の保育士の援助と安全管理

散歩の時間をより豊かなものにするためには、保育士の適切な援助が欠かせません。
- 散歩中の保育士の役割
- 安全管理のポイント
上記の2点についてお話します。
保育士の役割:散歩中のコミュニケーション
子どもたちの好奇心を広げるためには、保育士の声かけが大きな役割を果たします。
【おしゃべり】
「今日は暖かいね」
「お花が咲いているよ」などと、
子どもたちとたくさんおしゃべりを楽しみましょう。
【歌をうたう】
子どもたちが好きな歌や、季節の歌をみんなで唄うと、歩くのが楽しくなります。
【交通ルールを伝える】
「右見てー、左見てー、もう一度右見てー。車来ているかな?手を挙げて渡るよ」と、
横断歩道や交差点では、リズムをつけて伝えると、子どもたちは楽しくルールを学ぶことが
できるでしょう。
安全確認のポイント
安全な散歩をするためには、先生同士の連携が不可欠です。
【列の確認】
先頭の先生は、子どもの歩調を確認。
中間・最後尾の先生は、列が開きすぎないように声をかけます。
【声かけを徹底する】
「車が来ます」
「靴が脱げたので止まってください」など、
危険を知らせる声かけを心がけましょう。
季節ごとの散歩の楽しみ方

季節ごとに移り変わる自然は、子どもたちの好奇心を刺激する最高の教材です。
ここでは各季節ごろの楽しみ方を共有したいと思います。
- 春
- 梅雨
- 秋
- 冬
春:新しい発見に満ちた季節
散歩の道中では、心地よい日差しや風、タンポポやレンゲ、シロツメクサや桜などの季節の
草花を見つけて楽しみたいです。
また、テントウムシやアリなどの虫探しをしたり、チョウチョと追いかけっこしたり。
ふかふかの芝に転がってみても、気持ちがいいですよ。
「タンポポさんがわたげさんに変身するんだよ」
「田んぼにお米の稲がたくさん植わっているね」などと、
春ならではの季節に親しみが持てるような、声かけも大切にしましょう。
梅雨:雨あがりにも発見がたくさん
湿った地面や水たまり、草や葉っぱのキラキラ感、雨上がりの独特の空気と、楽しみポイント
がたくさんあります。
運が良ければ、かたつむりやカエル、水虫に出会えるかもしれません。これらの小動物が
現れやすい場所を調べておき、みんなで探しに散歩に出かけても楽しいでしょう。
秋:豊かで色鮮やかな季節
ドングリや松ぼっくり拾いができるように、手作りバックの用意も検討してみましょう。
また、色鮮やかな落ち葉の観察や落ち葉絨毯の上での足踏み。トンボやバッタ、カマキリなど
の虫探し。近場にあれば、コスモス畑へのおでかけも秋ならではの楽しみ方です。
散歩の道中では、春とは違った景色や空気を感じられるように、子どもたちとおしゃべり
しながら伝えていきましょう。
冬:寒さに負けずに
冷たい風、澄んだ空気、木々の変化を散歩をしながら感じてもらいたいです。
また、寒いからこそ、広い公園で思いっきり体を動かして遊べるように、鬼ごっこや
追いかけっこと走って遊べる活動を用意しておきましょう。
冬の季節だからこそ、日差しがある場所で日向ぼっこをしても気持ちが良さそうですね。
公園での遊び方と注意点

公園では、子どもたちが思いっきり遊べるようにサポートをしましょう。
ここでは、以下の2点に焦点を当ててお話します。
- 公園遊びのアイディア
- 安全に遊ぶための注意点
公園遊びのアイディア
遊具で遊ぶだけでなく、気になる場所へ自由に探索できる時間も大切にしましょう。
広いスペースがあれば、先生のところまで「よーいドン!」で走るのも盛り上がります。
1歳児でも、先生に向かって一生懸命に走ってきてくれます。
子ども用の散歩バックもおススメです。牛乳パックとリボンで簡単にできます。木の実や
葉っぱ、草花を集めて楽しんでみて下さい。
幼児クラスでは、鬼ごっこ遊びも取り入れたいですね。
安全に遊ぶための注意点
公園に到着したら、ゴミや枝、石などの危険物が落ちていないか、担当者を決めて確認
しましょう。
子どもの人数確認を定期的にする必要があります。公園を出発する際だけでなく、遊びの途中にも確認するべきだと考えています。
遊びの範囲も明確化しておくことが大切です。「どこからどこまでで遊ぶか」を先生全員で
共有し、子どもたちがその範囲内で安全に遊べるように見守ります。
まとめ|散歩は子どもも先生もリフレッシュできる時間

散歩は、子どもたちにとって発見と成長の宝庫であると同時に、先生にとってもちょっと
した気分転換になります。
安全に配慮し、先生同士が声をかけあいながら、子どもたちと一緒におしゃべりしたり、
走ったり、時には寝転がったりと、純粋に楽しむ気持ちを大切にしてください。
先生が楽しむ姿は、子どもたちに「お散歩って楽しい!」という気持ちを育み、より豊かな
時間へと繋がるでしょう。
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