もう緊張しない!保育士のための保護者懇談会の進め方

もう緊張しない!保育士のための保護者懇談会の進め方



わたしの勤めていた園では、10月から保護者懇談会が始まります。あなたの園でも、保護者懇談
会の時期が近づいてきたのではないでしょうか。


「うまく話せるかな…」
「ちゃんと答えられるかな…」


そう不安に感じる保育士さんもいらっしゃると思います。


この記事では、元保育士の経験を元に、保護者懇談会を成功させるための具体的な進め方と心構え
をわかりやすく解説します。この記事を読んで、緊張を自信に変えましょう。


懇談会をする「ねらい」とは

懇談会をする「ねらい」とは


保護者懇談会は、園での子どもの様子を一方的に伝えるだけの場ではありません。

互いに情報を共有し、より良い信頼関係を築くことで、子どもが安心して成長できる環境を整えることが最大の目的です。

具体的なねらいは以下の通りです。

  • 保護者との信頼関係を築き、連携を深める
  • 子どもの成長や園での様子を共有する
  • 今後の保育や家庭での関わり方の方向性を見つける
  • 園の方針や教育目標を伝える



保護者との信頼関係を築き、連携を深める



保護者と直接、顔を合わせて話すことで、普段では伝えきれない深いコミュニケーションが可能と
なります。また、安心して子どもを預けられる関係つくりを目指します。


子ども成長と園での様子を共有する



保育士は、園での子どもの成長や様子、友だちとの関わり方などを詳しく伝えします。保護者から
は、家庭での様子を伺い、園での保育に活かすことで、子どものをより深く理解し、支援の質を
高めます。


今後の保育や家庭での関わり方の方向性を見つける



保護者からの相談や悩みに耳を傾け、子どもの発達段階に応じた接し方や家庭での育児のヒントを
提案します。園と家庭が協力して、子どもにとって最適な育ちの環境を整えていきます。


園の方針や教育目標を伝える



園の保育方針やクラス運営の目標を丁寧に説明し、保護者からの質問にも誠実に対応します。
園の考え方を共有することで、保護者の理解と協力を得やすくなり、より良い保育環境づくりに
つながります。


元保育士が実践してきた懇談会の進め方

元保育士が実践してきた懇談会の進め方



懇談会を進めるための、具体的なステップを紹介します。それは以下の通りです。

  1. 挨拶と感謝の気持ちを伝える
  2. 園での子どもの様子を伝える
  3. 家庭での様子を聞き出す
  4. 子育ての悩みを伺う
  5. 最後に再度感謝を伝える



1、挨拶と感謝の気持ちを伝える



懇談会は、お仕事の後や忙しい時間を割いてくださる保護者への感謝から始めます。

「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。今日はどうぞよろしくお願い
いたします。」

と最初に、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。この一言があるだけで、その後の会話が
気持ちよく進みます。


2、園での子どもの様子を伝える



保護者が最も知りたいのは、園での子ども姿です。わたしが伝えてきた内容を紹介します。参考にしてみて下さい。

①好きな遊びや遊んでいる時の様子

よく取り組んでいる遊びや夢中になっていた遊び。
遊んでいる時の印象に残っている表情や言葉なども具体的にお伝えするようにしています。

②友だちとの関係

友だちとの様子もお伝えします。
「こういった援助をさせてもらっています。」と、援助していることを伝えることで、クラスでの取り組みを理解してもらいやすいです。

③食事や睡眠の様子

好き嫌い、手づかみやスプーンの使い方、午睡時の様子や時間などは、特に0,1歳児は気にされている情報です。保育士の援助方法も添えながらお伝えしています。

④情緒面

特に1~3歳児では、「イヤイヤ期」が気になる時期でもあります。
こういう場面で怒れちゃう、泣けちゃう、甘えたい、よく笑うなど。こちらも保育士の接し方を
添えながら伝えると安心してもらいやすいです。

⑤今後の課題

友だちとの関わりや情緒面、生活面と、その子の成長に必要な課題について、目標や方法を共有します。特に年長児は、小学校での生活を見据えた課題も共有しておきたいです。


3、家庭での様子を聞き出す



園での様子を伝えた後は、家庭での様子を伺います。

このときも、お伺いする内容の順番を決めていくと、保護者も話しやすいです。
①好きな遊び ②食事での様子や好き嫌い ③睡眠の様子(就寝や起床の時間や夜泣き) 
④休日の過ごし方 

また、園での様子を伝えている際に、「うちでは~なんです」と、お話ししてくれる保護者も
います。その場合は、制止する必要はありません。共有してくださる気持ちに感謝をし、保護者の話しに丁寧に耳を傾けて下さい。


4、子育ての悩みを伺う



懇談会で最も重要なことの一つが、保護者の悩みや不安に耳を傾けることです。

「ご家庭で何か悩んでいることや、困っていることはありますか?」と尋ね、保護者が話しやすい雰囲気を作りましょう。

保護者からの質問に答えられない場合は、
「申し訳ありません。勉強不足なため、一度調べて、後日改めてお答えします。」と伝え、
そのままにしないようにします。


5、最後に再度感謝を伝える



「本日はありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。」と、懇談会の終わりには、改めて感謝の言葉を伝え、信頼関係を継続する気持ちを伝えましょう。


懇談会を成功させる3つのポイント

懇談会を成功させる3つのポイント



懇談会を成功させるために、日ごろから意識しておきたい大切なポイントをまとめました。
それが以下の3つです。

  • 日ごろからの信頼関係
  • 共感と傾聴の姿勢
  • 園と家庭の連携



日ごろからの信頼関係



懇談会だけで良好な関係を築くのは難しいものです。

日頃から送迎時や連絡帳を活用し、こまめにコミュニケーションを取り、保護者と信頼できる関係を築いていきましょう。


共感と傾聴の姿勢



保護者の話にしっかり耳を傾け、適度に相槌を打ったり共感を示したりすることが大切です。
一方的に話すのではなく、保護者が話しやすいようにバランスよく時間を配分することを心がけ
ましょう。


園と家庭の連携



懇談会は「保護者を指導する場」ではありません。

園と家庭が「共に子どもを育てる」ための協力の場です。同じゴールに向かって協力し合うという姿勢を伝えることが重要です。


懇談会でよくある悩みQ&A

懇談会でよくある悩みQ&A



多くの保育士さんが抱える悩みに、元保育士としての視点からお答えします。

Q:話が脱線してしまい、時間が足りなくなります。
A:事前に話す内容のリストを準備し、時間配分を意識することが大切です。話が脱線しそうになったら、「次の話題に移らせていただきますね。」と、丁寧に切り出しましょう。


Q:保護者が子どもの悪い点ばかり聞いてます。どう話せばいいですか?
A:まずは良い点から伝えます。
 「○○ちゃんは普段、(良い面)があります。しかし、(苦手な点)が上手にできないので、(援助) に取り組んでいます。」とすることで、保護者はポジティブな気持ちで話を聞くことができます。


Q:保護者が黙ってしまい、会話が続きません。
A:具体的な質問をしてみましょう。
 「最近、ご家庭で新しくできるようになったことはありますか?」など、一言で答えられないような、少し具体的な質問をしてみて下さい。



まとめ|懇談会で保護者との信頼関係を深めよう

まとめ



保護者との懇談会は緊張するかもしれませんが、大切なのは日頃から保護者とのコミュニケーションが取れているかどうかです。


いつもと変わらない、穏やかな雰囲気で保護者との会話を楽しんでみてください。懇談会を通して、保護者とのより良いパートナーシップを築いていきましょう。

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