「ブロック遊びって、子どもにどう関わればいいの?」
「見守っているだけでいいのかな?」
そう悩んでいる保育士さんはいませんか?
1~2歳児だとすぐに飽きてしまったり、武器にして投げてたりしてしまうこともありますよね。
この記事では、保育士として明日から実践できるブロック遊びのアイデアと、子どもたちへの具体的な援助方法を解説します。
ブロック遊びは、子どもの想像力や協調性を育む大切な遊びです。遊び方を教えることで、子どもたちの「好き」という気持ちを引き出し、遊びがより豊かなものになります。
ぜひ最後まで読んで、日々の保育に役立てて下さい。
ブロック遊びのねらいと効果とは

ブロック遊びには、子どもの成長に欠かせない、さまざまなねらいがあります。主に以下の4つです。
- 指先を器用に使う力を育む
- 想像力や創造力を高める
- 集中力を養う
- 協調性や社会性を育む
そして、ブロック遊びから得られる効果も交えて、説明します。
指先を器用に使う力を育む
ブロックを「つなぐ」「はずす」「積み重ねる」といった動作は、指先や手全体を細かく動かす練習になります。
この指先を使った遊びは「目と手の協応」を養うことに繋がります。これは、目で見た情報に合わせて手を動かす能力のことで、将来的に、ハサミや鉛筆を上手に使えるようになるための重要な土台です。
また、「指先は第二の脳」ともいわれるほど、指先を動かすことは、脳の広範囲に刺激を与え、脳の発達を促します。
遊びを楽しみながら手先が器用になることで、子どもは自己肯定感を高め、身の回りのことを自分で行おうとする意欲も育まれます。
想像力や創造力を高める
ブロックには決まった遊び方がありません。
子どもたちは、頭の中で「お城を作りたい」「カブトムシ作ろう」といったイメージを膨らませ、そのイメージを形にするために試行錯誤を繰り返します。
この「ないもの」を「あるもの」にするプロセスが、想像力や創造力を育む上で非常に重要です。
また、ブロックは壊しても何度も作り直すことができるため、失敗を恐れずに挑戦する気持ちを育みます。
この自由な発想と、それを具体化する過程の繰り返しが、子どもの探求心を刺激し、より豊かな表現力を引き出すことに繋がります。
集中力を養う
ブロック遊びは、子どもたちが夢中になって取り組める遊びの1つです。
ブロックを「つまむ」「はめる」「はずす」といった繊細な動作を行うことで、手先の神経が集中し、自然と一つのことに没頭する力が身につきます。
集中してブロックを組み立てることで、時間を忘れて、物事に深く取り組む経験ができます。
この経験は、小学校に入ってからの学習にも生かされる大切な力です。遊びの中で集中力を養うことは、子どもたちの意欲を引き出し、自己肯定感を高めることにも繋がります。
協調性や社会性を育む
ブロック遊びは一人で楽しむだけでなく、友だちや先生と一緒に遊ぶことで、より豊かな学びが得られるでしょう。
一緒に一つの作品を作る際には、
「どのブロックを使う?」
「こうしてみない?」など、
自分の意見を伝えたり、相手の意見を聞いたりするコミュニケーション能力が求められます。また、使いたいブロックを譲り合ったり、役割分担をしたりする中で、自然と協調性や社会性が育まれるのです。
このように、遊びを通して、他者と協力する経験を重ねることで、相手を思いやる気持ちや、集団で活動する上で必要なルールを学ぶことができます。
【年齢別】ブロック遊びの援助アイデア

ここでは、保育士さんが子どもと一緒に楽しめるブロック遊びを、以下の年齢別にご紹介します。
- 0~1歳児
- 1~2歳児
この年齢は、保育士のかかわりが非常に重要だと考えています。乳児のブロック遊びに悩まれている先生は、参考にされてみて下さい。
0~1歳児:まずはブロックで遊んでみる
この時期は、ブロックそのものに触れ、素材の感触や色を楽しむこと、遊び方や楽しみ方を知ることが大切です。
☆デュプロブロック:とにかくはずす

使うブロックは、子どもの小さな手でもつかみやすい正方形のブロックが最適です。
そのブロックを5~6個つなげて渡し、子どもにはずしてもらいましょう。はずすことに慣れてきたら、ブロックを1つ渡し、つなげるように促してみます。
それらの遊びを繰り返し行うことで、ブロックの基本的な遊び方を自然と覚えるだけでなく、集中力も養うこともできるでしょう。
☆フラワー型ブロック:コマにしたり積み重ねたり

フラワー型ブロックは、コマのように回して遊んでも楽しいです。
先生が、ブロックを回してあげてみて下さい。子どもは興味深く見たり、止めようと手を伸ばしたりして楽しみます。
また、高く高く倒れるまで、積み重ねる遊びも楽しめます。
子どもはそれを、倒したがりますが、倒さないように声をかけたり、一緒に積むようにブロックを渡したりしてみましょう。
「倒れちゃうから、そーっとだよ」
「まだだよ、まだまだ」
「倒れなかった、セーフ!」などと、
1歳児でも、保育士や友だちと一緒に遊ぶ楽しさを、得られることができます。それが協調性や社会性を育むことにつながるのです。
1~2歳児:見立て遊びをやってみる
この時期は、簡単なイメージを共有しながら遊びを広げていきましょう。
☆ニューブロック:線路や道路に見立ててみる

ニューブロックを床に並べてつなげ、道路や線路に見立てて遊びます。
できたら予め、ブロックで道路(線路〉を作っておき、トミカ(電車)を乗せておいてください。「ガタンゴトン」「ブッブー」と、保育士が遊ぶ姿を見せることで、イメージを共有しやすくなります。
子どもが遊び始めたら、道路(線路)をどんどんつなげ、遊びが持続できるように補助することが大切です。
また、道路マットの上に、車庫や駐車場、トンネルや高速道路を作って置いておくと、遊びの幅が広がっていきます。
こうして保育士が作ったものを想像し、子どもたちで創造する遊びへと変化していくでしょう。
☆お家ごっこ:指人形はお友だちに

デュプロやニューブロックを四角くつなげて「お家」を作って楽しみます。
ただ作ったらそれで終わりなので、指人形やデュプロの人やアニマルを使って、ごっこ遊びに展開しても楽しいです。
「こんにちは」「おやすみなさい」
「いただきます」「いってきます」と、
先生が率先して介入していくことで、遊びがどんどん広がっていきます。「お家」だけでなく、「お風呂」や「プール」、「公園」も見立てやすくおススメです。
これらの遊びを経験することで、このさき先生から離れ、子どもたちだけで協調しながら遊べるようになっていくでしょう。
ブロック遊びで保育士が意識したい援助ポイント

ブロック遊びをより安全に、そして楽しく進めるために、保育士が気をつけたい、2点のポイントがあります。
- 子どもの気持ちに寄り添おう
- 安全な環境を整えよう
子どもの気持ちに寄り添おう
「せっかく作ったのに壊される…」
と感じて、悩む保育士さんもいるかもしてません。しかし、子どもの中には「壊すこと」そのものを楽しんでいる子もいます。
先生が作ったものを「壊す」ことが楽しい。
先生と遊んでいるの!(「壊す」という遊びをしている)
それが子どもの心情だと考えます。
そんな時は、「ここにつけてみようか?」とブロックを1つ渡して、遊びに参加させてみましょう。子どもが遊びに乗ってきてくれたら、「すごい!」「いいね!」と沢山褒めてあげて下さい。
安全な環境と整えよう
ブロック遊びでは、ブロックが倒れて怪我をしたり、足の裏で踏んで怪我をしたりする可能性があります。
☆予測して危険を回避する
大きいブロックを車に見立てて、乗ったり押したりして遊ぶことがあると思います。

その際に、勢いよく前に転倒してしまうことがあります。わたしの場合は、子どもが顎下を強く打ち、歯を損傷させてしまったのではという出来事がありました。
遊びが盛り上がっている時ほど、危険を予測し、事前のサポートをすることが大切です。
☆必要のないブロックは元の場所に戻す
わたし自身、床に散らばったブロックを踏み、壊してしまうことがありました。怪我をすることはありませんでした。しかしそれが子どもだったら、怪我をしていた可能性が予想されます。
わたしが勤務していた園でも、ブロックが床の広範囲に散らばっている場面をよく見ました。怪我をさせる可能性を作っていると考えます。
そのため、使っていないブロックは、そのつど元の場所に戻し、怪我の予防に努めていただけたら安心です。
まとめ|保育士の援助でブロック遊びをもっと楽しく!

ブロックは、指先を使う練習になったり、想像力を育んだり、さまざまな力を養ってくれるおもちゃです。
特に、遊びはじめの0~1歳児は、まだ遊び方がわからないことが多いです。そんな時は、保育士が率先して遊び方を見せることで、子どもたちはブロック遊びの楽しさに気づき、自分から遊び始めるきっかけになるでしょう。
ぜひ、この記事で紹介したアイデアを参考に、子どもたちとブロック遊びの時間を楽しんでください。
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