子どもたが大好きな『ごっこ遊び』。
単に楽しいだけでなく、子どもの成長に非常に大きな役割を担っています。
今回は、約14年間の保育士経験で実際に取り入れてきた『ごっこ遊び』をご紹介します。
それぞれの年齢に応じたごっこ遊びのねらいと具体的な遊びの内容、保育士として大切にしてきた
『ポイント』もお伝えします。
日々の保育の参考にしていただけると嬉しいです。
年齢別の『ごっこ遊び』のねらい
〈0歳~1歳児〉
好奇心とコミュニケーションの芽を育む
・保育士の行動や言葉を模倣して楽しむ
・保育者とのコミュニケーションを深める
・食べ物や食器を知る
・自分なりに気持ちを表現しようとする
〈2歳~3歳児〉
言葉と社会性の基礎を培う
・コミュニケーション能力を養う
・身近な人や経験したことを模倣して遊ぶ
・友だちや保育者と一緒に遊ぶ楽しさを味わう
・自分のイメージを表現しようとする
〈4歳~5歳児〉
想像力と協調性を高める
・順番を守る、相手の意見を聞く、協力することなどを覚える
・友だちと協力して成功体験を積み重ねる
・コミュニケーション能力を向上させる
・自分たちで解決したり、工夫したりしてみる
・相手の立場や気持ちを共感する心を養う
遊びのアイディア
触って楽しむ!食べ物ごっこ
0歳児向けになります。
好奇心を刺激する、五感を使った遊びです。
〇用意するもの
・机 ・茶碗
・食べ物(簡単で分かりやすいもの)
食べ物例↓

〇遊び方
①子ども一人ひとりに茶碗を渡します。
②茶碗に食べ物を入れます。(数は2つくらい)
〇ポイント
この時期の子どもたちは、物をつかんだり、下に落としてみたり、ひっくり返してみたり…と
手で触れて、感触を確かめることが大好きです。その存分にさせてあげましょう。
ひっくり返しても、すぐに茶碗に戻してあげるを繰り返すことで、遊びが続きます。
「い・ち・ご」「バ・ナ・ナ」と、
手に取った食べ物の名前を、はっきりとゆっくりと伝えることで、言葉への興味を引き出します。
「どうぞ」が楽しい!食べさせてあげようごっこ
1歳児前半向けになります。
誰かに何かをしてあげる喜びを感じられる遊びです。
〇用意するもの
・ぬいぐるみや動物のイラスト
・食べ物 ・茶碗 ・スプーン
ぬいぐるみや動物のイラスト例

〇遊び方
・先生がぬいぐるみを持ち、「お腹すいたよー」と声をかけます。子どもが選べるように、
いくつか置いておくのもGoodです。
・動物や好きなキャラクターのイラストは、ままごとコーナーに貼っていきます。
〇ポイント
「お腹すいているみたいだよ」
「誰か食べさせてあげて」
「美味しい!ありがとう」などと、
先生がぬいぐるみやイラストの気持ちを代弁するように優しく言葉をかけることで、子どもの
想像力を広げる鍵となります。
「どうぞ」のやりとりを通して、相手を思いやる気持ちや、言葉のコミュニケーションを育む
ことにも繋がります。
優しい気持ちを育む お世話ごっこ
1歳児後半~楽しめます。
お人形を通して、日常経験を再現し、優しい心を育みます。
〇用意するもの
・ぬいぐるみやメルちゃんなどの人形
・布団 ・食べ物 ・食器類 ・ミルク
(ミルクはペットボトルジュースでも代用可)
〇ポイント
まずは、子どもがどのように遊び始めるのかをじっくり観察しましょう。
先生の役割は、遊びがスムーズに進むようにサポートすることです。
- 広々とした場所を確保する
- 使っていないものは元の場所に戻す
- 子どもの様子を見て、新しいものを追加する
- 「こういう遊ぶはどう?」と提案してみる
※散らかりすぎが、子どもがすぐに飽きる要因の1つでもあります。
「○○ママ、赤ちゃん起きましたか?」
「うさちゃん、お腹いっぱいになった?」
「くまちゃんのママは誰ですか?」など、
具体的な言葉かけで、遊びの世界が広がります。
冒険に出よう!おでかけごっこ
この遊びも、1歳児後半~楽しめます。
想像力と期待感を育む、楽しいおでかけごっこです。
〇用意するもの
・カバンや小さめの紙袋
・お出かけ先の絵や写真
(知っているテーマパークがおススメです)
・食べ物 ・弁当箱 ・菓子箱や袋 ・ジュースなど
〇ポイント
おでかけごっこで大切なのは、子どもたちがお出かけしている気分になれるような環境設定をして
あげることです。
どのような場所だと、よりワクワクするのか、お出かけのイメージが湧くのか、子どもの言葉や保護者からの言葉をヒントにします。
ぜひ、考えてみて下さいね!
「いってきます」「どこにいく?」
「ここでお弁当食べようよ!」「たのしいね」
などと、先生も一緒に、遊びに参加することで、遊びが盛り上がり、子どもの想像力もさらに高めることができます。
他にも、「赤ちゃんとおでかけごっこ」や「電車でおでかけごっこ」 も楽しいです。
いらっしゃいませ!レストランごっこ
2歳児以上から楽しめます。
友だちや先生とのやり取りを通して社会性を育む遊びです。
〇用意するもの
・食べ物
※どんなレストランにするかに応じて、必要なものを設定して下さい。
〇ポイント
2~3歳児の場合
「いらっしゃいませ」「ご注文はどれですか?」
「これとこれ下さい」
などと、先生が様子を見ながら、遊びを進行していきましょう。言葉のやり取りを促す良い機会になります。
4~5歳児の場合
子どもたち自身で、遊びを広げ、考えられるように手助けをします。
「こうしてみたらどう?」
「これも使ってみる?」「これはどうするの?」
といった問いかけで遊びを深めましょう。
レストランごっこ以外にも、「お店屋さんごっこ」も楽しいですよ!
他のクラスの子に、お客さんになってもらうのも、交流がうまれて盛り上がります。
お家からお店に行って買ってくる、という設定も遊びの幅を広げますね。
まとめ
「ごっこ遊び」は、
自分のイメージを表現したり、伝えたり、みんなで共有しながら遊んだり、
たくさんの言葉を覚えて話したりと、子どもが様々なことを学べる大切な遊びです。
一般的には、子どもの様子を「見守る姿勢」が、とても重要だと言われています。
もちろん、見守ることも大切です。わたしの経験上では、それではもったいない‼
わたしは、子どもの様子を見守りつつも、
遊びがさらに盛り上がるように進行したり、先生も一役もらって一緒に遊んだり、
時にはそっと手助けをしたりする ことも同じくらい大切だと考えます。
先生が積極的に関わることで、子どもたちの想像力はさらに広がり、遊びはより豊かなものに
なります。
この記事で紹介したアイデアが、日々の保育のヒントとなり、子どもたちの笑顔溢れる「ごっこ遊び」の時間が増えることを願っています。
ぜひ、明日からでも実践してみて下さい。
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