「2歳児クラス」というクラスは、1歳児クラスの「個」の活動から、3歳児クラスの
「集団」の生活へ移行するための準備期間となる、とても大切な1年間です。
この時期は、「自分でやりたい」という自我が芽生え、運動能力や社会性などのさまざまな
発達が飛躍的に伸びるゴールデンエイジとも言えます。
この記事では、2歳児の伸びる力を最大限に引き出すために、わたしが注力してきた3つの
成長テーマについてお届け!
子どもたちの「できた!」を増やすための具体的な援助方法や、言葉かけのヒントを詳しく
ご紹介します。この1年で挑戦させたい大切なことをチェックし、幼児クラスへ送り出してあげましょう。
2歳児保育の主なねらい

2歳児クラスの保育における大切なねらいは、「生活の自立」と「集団生活への興味」を
育むことです。
厚生労働省「保育所保育指針」では、2歳児の発達に応じた「保育のねらい」として、
以下のような内容が示されています。
(5)安心できる保育士との関係の下で、食事、排せつなどの簡単な身の回りの活動を自分でしようとする。
(7)身の回りに様々な人がいることを知り、徐々に友達と関わって遊び楽しさを味わう。
(9)保育士を仲立ちとして、生活や遊びの中で言葉のやりとりを楽しむ。
引用:保育所保育指針 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/5bdae3f0-14d9-4237-ae44-85e1e2c70dcf/4bd48881/20240111_policies_hoiku_shishin-h20_06.pdf
3歳児クラスになると、担任の配置人数が減るとうえに、新入園児も加わります。保育士の
手が今よりも届きにくくなるからこそ、2歳児のうちに「できること」を一つでも多く身につけさせてあげたい。
上記の目標を達成するために、わたしが実践してきた援助方法や具体的な声かけを、これから
ご紹介していきます。
食事面で大切にしたい!正しい持ち方と衛生習慣

食事の時間は、ただ空腹を満たすだけでなく、食器の使い方や清潔面を育むことができる
大切な機会です。
スプーン・フォークの正しい持ち方に挑戦
3歳児クラスの途中から、スプーンから箸へ移行する園も多いかと思います。箸を使えるよう
になるためには、まずスプーンを正しい持ち方で握れるようになることが大切です。
とはいえ、スプーンの持ち方をすぐに直すのは難しいもの。そのため、2歳児クラスのうち
から少しずつ覚えられるよう、丁寧に促していくことが必要です。
【取り組みの始め方】
「いただきます」の前などに、保育士が手本を見せる場面を作りましょう。
「バキューン持ち」で伝えてあげると、子どもたちは分かりやすいですよ。

「お兄さん、お姉さんはこうやって持っているんだよ」と言葉を添えることで、子どもたちの意欲を引き出すことができます。
【援助のヒント】
食事中にも、さりげなく声をかけていきましょう。(頻繁にでなくて大丈夫です)
「お兄さん(お姉さん)の持ち方で持ってみようか」と、優しく声をかけてあげてみてください。
子どもが、「こう?」「合ってる?」と尋ねてきたら、否定せず、丁寧に教えてあげること。
下からギュッと握ってもOK!まずは自分で持とうとする気持ちを十分に認めることが大切です。
参考サイト:【専門家】スプーンの正しい持ち方は?子どもの発達段階に合わせた持ち方3STEP|ベネッセ教育情報サイト
食器に手を添える習慣を身につけよう
食器を左手で添えることで、食器が動かず、食べ物をすくいやすく、刺しやすくなります。
この習慣は、食事中の集中力を高めることにもつながります。
【援助のヒント】
「こっちの手(左手)でお皿をこうやって持ってみようか。そうするとお皿が動かなくて
食べやすくなるよ。」
食器に手を添えるメリットを一緒に伝えることで、子どもたちは納得して取り組めます。

子どもによって持ち方はさまざまなので、「こうすると持ちやすいよ」と優しく丁寧に直して
あげましょう。間違った持ち方が定着しないよう、気をつけて見守る必要があります。
自分で口や手を拭く習慣を身につけよう
自分で汚れに気づき、きれいにする習慣を身につけるよう促すことも大切です。これは、手が
汚れたら自分で洗う、鼻水を自分でかむ、服の身だしなみを整えることにもつながります。
【援助のヒント】
「お口や手が汚れているかもしれないから、自分できれいに拭いてみてね」と、「ごちそうさま」をする前にみんなに伝えましょう。
まだ上手には拭けないので、保育士がきちんと拭けたかを確認し、仕上げ拭きをしてあげます。「ここについてるよ」と教えてあげるのも良いかもしれません。
まずは、自分でやってみようとする気持ちを育てることが大切なので、その意欲をしっかり褒めてあげてくださいね。
身支度で大切にしたい!「できた!」の成功体験

「自分でやりたい!」という自立心、「できた!」という達成感を育むためにも、身支度の自立は必要不可欠です。
ズボン・靴下・靴を自分で履こう
毎日の身支度は、練習の機会が豊富です。
【ズボン】
脱いだズボンは履きやすく整えてあげます。

まずは、自分でやってみる気持ちを引き出すことが大切です。そのためにも、ずっと見守るのではなく、おむつの片づけや次の子の準備などをしながら、できるだけそばを離れてみましょう。
手助けするタイミングは見極めて。
足を入れる場所を広げたり、足を出す場所を知らせたりと、難しい部分は一緒にやりながら伝えてあげてください。最後は、頑張ったことやできたことをしっかりと褒めます。

【靴下】
靴下は、ゴム部分に足を通したり、かかとを入れたりするのが難しいですよね。
保護者の方には、くるぶしソックスは控えてもらいましょう。くるぶしソックスだと、子どもにはつかみにくく、引き上げにくいからです。

難しいところは、ゴム部分を広げたり、かかとが入りやすいように整えたりして、さりげなく
手を添えてサポートします。最初のうちは、靴下を半分だけ履かせてあげるのも良いでしょう。
参考サイト:お着がえサポート(2)靴下のお着がえサポート | 子育てに役立つ情報満載【すくコム】 | NHKエデュケーショナル
【靴】
14㎝ほど(牛乳パック2個分)の高さの台や椅子を用意するのがおススメです。座った状態の方が履きやすくなります。
最初のうちは、靴のテープはあらかじめ外しておくこと。子どもは、座ったまま、靴に足を
入れます。
足を入れたら、「グリグリしてみてね」と声をかけ、かかとの入れ方を伝えます。保育士は、
靴が動かないように支えてあげましょう。かかとがうまく入らない場合は、その場で立ち上がると入りやすいです。

上着の着脱にも挑戦してみよう
難しい上着の着脱にも、挑戦させてみましょう。出来なくてもいいんです。
「自分でやってみたい!」「ここまでできた!」という経験をさせてあげることが大切です。
【援助のヒント】
子どもでも着やすい方法は主に2つあると思っています。
①上着を肩にかける方法
上着を肩にかけたら→右手で服を握り、左腕を入れる→左手で服を握り右手を入れる

②マント方式で着る方法
上着を床に置き(背中側が下になるように)→襟元を両手で持ち→頭の上を通すように
「バサッ」と背中側にひっくり返し→肩にかける→両腕ずつ袖を通す

肩から袖が落ちてしまったり、袖に手が届かなかったりと、うまくいかない部分は、
さりげなくサポートしてあげてくださいね。
集団行動も大切にしたい!友だちとの付き合い方を育む

2歳児後半になると、友だちと関わる姿が見られるようになり、遊びや生活の中でのルールや
人との関わり方を学び始めるのにぴったりの時期といます。
3歳児クラスから必要になる「集団生活の基本」を、日々の保育の中で少しずつ体験できる
ようにしていきましょう。
遊びや生活の中でのルールを覚えよう
3歳児クラスから必要になってくる「集団生活の基本」を体験させましょう。
【並ぶ習慣】
- 友だちの後ろに並び、順番を待つ
- 呼ばれた子から動く(例:「いちごグループさんどうぞ」など)
- 線の上に立って歌を唄う
遊びや手洗いの場面など、日常の生活動線の中え自然にこれらの習慣を経験できるよう、
保育環境や声かけを工夫しましょう。
【協調性】
- 友だちと手をつなぎ、2列で歩いて散歩をする
- 友だち手をつないで、簡単な動きをして遊ぶ
- 「あぶくたった」や「むっくりくまさん」などの簡単な集団あそび
「友だちの手を離さない」「友だちを傷つけない」など、友だちと関わるときの約束を、
ジェスチャーを交えて分かりやすく伝えます。
友だちとのやりとりの仕方を覚えよう
この時期には、友だちとの関わりの中で感情のぶつかり合いも増えてきます。
【相手に気持ちを伝える言葉】
「一緒にあそぼう」「いれて」「かして」「ありがとう」「ごめんね」といった、言葉を遊び
を通して教えていきましょう。
【友だちとのトラブル】
すぐに結論を出すのではなく、お互いの気持ちを把握した上で、友だちの気持ちを伝えたり、
どうすべきかを教えたりし、友だちとの関わり方を伝えます。
【子ども同士をつなげる】
同じ遊びをしている子の中に誘ってみたり、保育士が仲立ちなってつなげたりし、
「友だちと一緒に遊ぶ楽しさ」という、社会性の第一歩を体験させてあげましょう。
まとめ|「できた!」を増やせる保育を大切に!

2歳児クラスでのこの1年間は、子どもの成長が加速し、手先や運動機能の発達だけでなく、
理解力や社会性が大きく伸びる大切な時期です。
2歳児の保育で大切なことは、子どもの「やってみたい!」という気持ちを尊重し、
「自分でできること」を1歳児クラスの時よりもさらに増やしてあげることです。
私たち保育士は、子どもたちが自信を持って次の幼児クラスへと進級できるよう、日々の挑戦
と成功体験を積極的にサポートしていきましょう。



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