保育者としての給食配慮 あなたはどうしてる?|「食べたくない」理由から考える援助のヒント

保育者としての給食配慮 あなたはどうしてる?|「食べたくない」理由から考える援助のヒント

今日も全然食べてくれなかった…

遊び食べが止まらない…、どうしたらいいの?

給食の時間が来るたびに、そんな「格闘」のような毎日に頭を抱えていませんか😥

時には、

○○先生だと食べるのに、どうして私のときには…

周囲と比べて落ち込んだり、焦りからつい声かけが強くなってしまったり…。

給食の本質は、「好き嫌いなく完食すること」ではなく、子どもたちが食事を「楽しい」「嬉しい」と感じる心、つまり主体性を育むことではないでしょうか😊

本記事では、15年の保育士経験のなかで試行錯誤して辿り着いた、

  • 0歳児~5歳児まで、発達段階に合わせた ❝具体的な言葉がけ❞
  • 「なぜ食べないのか」「なぜ遊ぶのか」という、行動の裏にある理由

ついても深堀りしていきます。

保育者のちょっとした「配慮の変化」と「援助の工夫」だけで、子どもとの関係さはらに深まり、給食時間が、もっと心地よい時間に変わるはずですよ。

⚠️ここでご紹介する「言葉がけの工夫」には、あくまで私の保育観に基づくものです。園によっては考え方が異なる場合がありますので、日々の保育をより良くするためのヒントの一つとして受け取っていただければ幸いです。

食育のねらい💡「食を営む力」の基礎を育むために

厚生労働省の『保育所における食育に関する指針』では、食育の大きな目標を次のように定めています。

「現在を最もよく生き、かつ、生涯にわたって健康で質の高い生活を送る基本としての『食を営む力』の育成に向け、その基礎を培うこと」

引用:厚生労働省 『保育所における食育に関する指針』(概要)

この目標を達成するために、日々の給食時間では、❝ 一人ひとりの発達や状況に合わせた「配慮」❞ を行いながら、以下の5つの姿を目指していきます。

①お腹がすくリズムのもてる子ども

②食べたいもの、好きなものが増える子ども

③一緒に食べたい人がいる子ども

④食事作り、準備にかかわる子ども

⑤食べ物を話題にする子ども

引用:厚生労働省 『保育所における食育に関する指針』(概要)

これらを踏まえて、年齢ごとの具体的なねらいと、保育者が意識したい配慮のポイントを見ていきましょう。

【0~1歳児】安心できる環境で「食べる喜び」の土台作り

この時期では、まず「食べることは心地よいことだ」という感覚を育むことが最優先です。

1️⃣信頼できる関係の中での安心な食体験
保育士との穏やかな関わりの中で、安心して食べられる環境と整えることが、一生続くポジティブな食体験の基礎となります。
2️⃣食への喜びや自発的な関わり
「おいしい」という意欲を尊重し、一人ひとりの発達に応じた量や触感への援助を通して、食べる喜びを育みます。
3️⃣五感を使った食への探求心
五感をフルに使った体験を大切にし、食べ掴みなどを尊重する配慮が、「自分でやりたい」という自発性を引き出します。

【2~3歳児】「自分で!」という意欲と「みんなで」の楽しさ

心身が大きく成長する 2,3歳児クラスでは、自立心と社会性の芽生えのサポートが必要です。

1️⃣多様な食体験を通じた味覚の発達
さまざまな食材や調理法に触れ、味や香りの幅を広げます。苦手なものへの無理強いしない配慮が、少しずつ偏食軽減につながります。
2️⃣食習慣の基礎と自立への関心
「自分でやりたい」意欲を尊重し、マナーへの関心を育みます。達成感を味わえる ❝先回りした配慮❞ が重要です。
3️⃣共有する喜びを知る「共食」の経験
「友だちと食べる楽しさ」を味わう時期です。個々のペースに配慮しつつ、対話を仲立ちすることで、みんなで食べる喜びの基礎を育みます。

【4~5歳児】主体的な関わりと「いのち」への感謝

幼児期では、知識としての食だけでなく、文化や生命への理解など、より深い関わりを目指します。

1️⃣自立と共食の喜びを深める
自分たちで配膳し、楽しく食べる経験を重ねます。量や苦手なものを自分で調整できるよう個別に配慮し、納得感を持って食べる「自己決定」を促します。
2️⃣適切な食習慣とマナーの定着
マナーや準備、片づけを日常生活の中で自然に実践し、自分で行動できる力を身につけます。
3️⃣生命への感謝と食への意識
食育活動を通じ、食べ物が「いのち」であることを学びます。保育者は子どもの気づきを拾い上げる心理的な配慮を行い、関わる人々への感謝の心を育みます。

給食での「食べない」「遊ぶ」には理由がある❗

給食中、困った行動に見えるものも、実は子どもなりのメッセージです。その背景には、次の3つの理由があると考えています。

  • 「お腹が空いていない」「食事に飽きた」物理的な理由
  • 「苦手なもの」を前に、対処法が分からず手が止まる
  • 実は重要!保育者との「関係性」による影響

詳しく説明していきます。



「お腹が空いてない」「食事に飽きた」 物理的な理由



まず考えられるのは、「もうお腹いっぱい」「食べるのに飽きた」というサインです。

大人でも、「もう食べられない」のにまだ残っている…。そんな時、無意識に箸でつついていたり、必要以上に触ったりすることありませんか❓

子どもも同じです。

「もう食べたくない」という気持ちを、遊び食べという形で表現している可能性がありますよね。



「苦手なもの」を前に、対処法が分からず手が止まる



じっと給食をみつめて手が止まっているなら、それは「苦手な食べ物」への戸惑いかもしれません。

大人は、「最初に食べてしまおう」「好きなものと交互に食べよう」と、対処法を知っていますよね☝️

子どもはその対処法を知りません。

「もう食べたくないけど、どうしたらいいのか…」という葛藤が、結果として遊び食べに繋がってしまうのです。



実は重要!保育者との「関係性」による影響

「○○先生だと食べるのに…」という現象の裏には、子どもとの信頼関係が深く関わっていると考えます。

もし、あなたが安心できない相手と一緒に食事するとしたら…。落ちつかないし、味を楽しむ余裕ないですよね☝️

子どもも同じです。

「この先生だと安心できる」「ありのままの自分でいられる」という安心感があってこそ、食欲は湧いてくるもの。


「わたしだと食べてくれない」と落ち込む必要はありません。

それは、その子との信頼関係をさらに深めるチャンス✨ まずは給食以外の時間でたっぷり関わり、心の安全基地になることから始めてみましょう。


給食への意欲を引き出す💪発達段階別の具体的な援助と配慮


給食の考え方は、園によっても保育士によっても様々ですが、

わたしは、「調理してくれた人の気持ち」「食材やその命」を大切にしたいという考えを軸に置いてきました。

そのため、「お残し」が減らせるような保育者の援助 。「完食できた達成感」「褒められた満足感」も与えられる配慮を心がけてきました。

ここでご紹介する援助には、賛否あるかもしれませんが、ヒントの一つとして受け取っていただければと幸いです。


【0~1歳児】遊び心で「食べる楽しさ」を伝える



この時期は、給食の時間を「楽しい!」と感じてもらう工夫が中心です。

🌟具体的な援助🌟

1️⃣遊び心のある声かけ
「くるくるくる、あ~ん」や「アンパンマンはきみさ、あ~ん」など、つい反応したくなる言葉かけで意欲を引き出しています。
2️⃣「隠し技」で一口チャレンジ
手つかずのおかずを、ごはんの下に隠して食べさせてみます。「バレちゃった!」時は、笑い合える雰囲気を大切に!
3️⃣小さな成功を逃さず褒める
「おいしいね!」「食べられたね」と明るく声をかけ、自信につなげます。


🌟具体的な配慮🌟

1️⃣配膳時のさりげない配慮
一人ひとりの進み具合を把握し、苦手なものはあらかじめ量を減らして提供します。
2️⃣「大切に食べる」を伝える環境構成
遊び食べが始まったら、「食べ物大事だよ」と優しく伝え、手からそっと離します。
3️⃣「自分で食べたい」意欲を伸ばす
「食べているもの」「食べたいもの」を手前に置くなど、おかずの配置を工夫して集中力を支えます。
4️⃣清潔な環境の維持
床や机に落ちたものはその都度片づけ、清潔な視界を保つことで食への意識を促します。



【2~3歳児】「自分で食べられた」達成感を支える



自立心が芽生える時期。「自分でできた!」喜び、「ボクもできる!」挑戦心を共有します。

🌟具体的な援助🌟

1️⃣達成感を促す具体的な提示
「あとこれだけ食べたら終わりだよ」「今日のデザートは○○だよ」と、終わりの見通しや楽しみを伝えます。
2️⃣保育者の「共感」で挑戦を後押し
「先生これ大好きなんだ。みんなはどう?」と、保育士が美味しそうに食べる姿を見せ、挑戦を促します。
3️⃣完食だけでなく「努力」を認める
「ここまで食べられた」「○○が食べられた」その過程を大いに褒めて自信につなげます。


🌟具体的な配慮🌟

1️⃣食べやすい方法を「伝授」して自立をサポート
「お腹とお机ピッタンコ!」「お袖まきまき」など、上手に食べられるコツを伝えます。失敗を防ぐ物理的な配慮が、「自分でできた!」をいう達成感を支えます。



【4~5歳児】「意味」を知り、自ら目標を立てる



理解力が深まる幼児期には、食の背景を伝え、自己決定を促す援助を行います。

🌟具体的な援助🌟

1️⃣食事前の「予告」で意識づけ
「いただきます」の前に、「先生は○○と○○が楽しみだな」と、食べ物への関心を高めます。
2️⃣食べ物の「パワー」を伝える
「○○食べると、ママみたいにお肌ツルツルになるんだよ」など、子どもが興味を持つ効果を伝えます。


🌟具体的な配慮🌟

1️⃣「自分で決める」盛り付けで意欲を高める
盛り付けの際、子ども自身に「これなら食べられる量」を伝えてもらいます。自分で決めた量を完食することで、無理なく大きな達成感を味わえます。
2️⃣困ったときに「助けて」と言える関係づくり
「こぼしちゃった」「食べられなかった」と困ったとき、自分から助けを求められる雰囲気作りを心がけます。失敗を責めない心理的配慮が、子どもの安心感へと繋がります。



まとめ|一人ひとりに寄り添う「配慮」が、豊かな食を育む



給食の時間は、単に栄養を摂るだけの時間ではありません。


保育者のちょっとした「配慮」と「援助の工夫」があれば、子どもたちの「食べたい!」という意欲を引き出し、心の距離をぐっと縮める貴重なチャンスに変わります✨


もし今、「うまく食べられられない」と悩んでいるのなら、まずは「先生と一緒だと安心できる」と感じられる環境作りから始めてみませんか?


  • 「食べたくない」という気持ちの背景に寄り添う
  • 「嬉しい」「楽しい」「やってみたい」意欲を引き出す工夫
  • 子どもから「信頼」「安心」してもらえる関係づくり



15年の保育士経験の中で私が感じたのは、保育者が笑顔で寄り添うことこそが、子どもにとって何よりのスパイスになるということです。


一人ひとりの「いま」に合わせた適切な配慮が、子どもたちの「一生続く食の楽しさ」の土台を作ります👌


この記事が、あなたと子どもたちの給食時間を、より心地よく笑顔あふれるものにするヒントになれば幸いです。


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