プール遊びや水遊びの時期が、今年もやってきました!
近年は酷暑の訪れが始まり、7月に入る前から水遊びを開始している園も多く見られるのではないでしょうか。
子どもたちの大好きなプールや水遊び✨
弾けるような笑顔を見ると、私たち保育士も嬉しくなりますよね。
しかし、その一方で絶対に忘れてはならないのが、『水の事故』です🚨
「集中しているから大丈夫だろう…」
「ほんの少しの間だけなら…」
そんな一瞬の油断が、取り返しのつかない事故につながることがあります。
今回は、実際に起きたプール事故の事例をもとに、
保育士として知っておくべき「プール・水遊びの注意点」、監視体制の在り方と安全対策について、一緒に考えていこうと思います。
この記事が、園全体で安全対策を見直すきっかけになれば嬉しいです。
保育園・幼稚園で実際に起きた『プール事故』の事例と教訓🔎

まずは、過去に実際に発生した事故の事例を確認しましょう。
プールや水遊び中の事故は、毎年どこかの保育施設で起きています。「準備していたのに」「ちゃんと見ていたのに」ーーそう悔やんでも、失われた命は戻りません。
具体的な施設名や日付は伏せていますが、ここで紹介する事例はすべて現実に起きたことです。ぜひ、自分ごととして読んで見てください。
【事例①】保育園での4歳女児死亡事故(2017年)
【事故の概要】
プール遊び中、4歳女児がうつ伏せで浮いている状態で発見され、その後死亡が確認されました。
担任保育士は、プールで使用した滑り台を片づけるため、園児から30秒ほど、目を離していたとされています。
【この事例から学ぶ、保育士の配慮と教訓】
たった30秒が命取りになる❗
「少しだけ」「すぐ戻る」ーーたった数秒、数十秒の隙に、事故は起こります!
遊具の片付けなど「ながら作業」が生まれる状況を、あらかじめ作らないことが何より重要です。
子どもたちについている保育士は、監督だけに専念する!
子どもたちについている保育士は、片付けなど他の業務を兼務してはいけません。
「プールから目を離さなければいけない状況」が生まれないよう、役割をきちんと分担しましょう。
【事例②】幼稚園での3歳男児死亡事故(2011年)
【事故の概要】
室内プールで水遊び中の3歳男児が、うつ伏せで浮いているのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認されました。
事故は、終了間際にプール内の遊具の片付けていた、約30秒の間に発生。当時は幼稚園教諭1名が監視しており、水深は約20㎝だったとされています。
【この事例から学ぶ、保育士の配慮と教訓】
「終了間際」こそ最も危険な時間帯!
プール活動の終わり際は、次の動きへの意識が先走りやすくなります!
「タオルを準備しなきゃ」「シャワーに移らなきゃ」ーーそんな気持ちが、一瞬子どもへの集中を途切れさせます。
終了間際こそ、気を引き締めることが重要です。
1人監視には限界がある!
1人の保育士が複数の園児を完全に見ながら、他の業務もこなすには限界が!
「必要な配置人数は何人なのか」「次の動線へ、安全に移行するにはどうすればいいのか」ーー責任をもって確認・提案する姿勢が求められます。
【事例③】幼稚園での4歳男児死亡事故(2014年)
【事故の概要】
屋上プールで水遊び中に、4歳男児が水に沈んでいるのが発見され、心肺停止状態で救急搬送され
ました。
この事故では、監視役の保育士2人が一時的にプールを離れるなど、複数の職員による「持ち場離脱」や「ずさんな監視状況」が問題視されています。
【この事例から学ぶ、保育士の配慮と教訓】
「持ち場離脱」は、命の空白をつくる!
理由がどんなものであっても、子どもいるプールから監視者がいなくなることは、絶対にしてはいけません!!!
役割の明確化と多重チェックで死角をなくす!
1人の目だけでは、見落としが生まれます!
複数人の監視体制を組み、お互いに連携しながら、それぞれの役割をはっきり決めておくことが大切です。
プール事故を防ぐために保育士が徹底すべき「3つの注意点」🚨

これらの痛ましい事例から見えてくる、保育士として意識すべき3つの注意点があります。
「30秒目を離した」「1人で監視をしていた」「終了間際だった」ーー事例を振り返ると、事故にはいくつかの共通したパターンがあることに気づきますよね。
裏を返せば、そのパターンを知っておくことが、事故を防ぐ最大の武器になるでしょう。具体的に何を意識すればいいのか、3つの注意点で整理をしました。
「絶対によそ見をしない!」という徹底した監視体制
「一瞬でも目を離してしまったら、どうなるか」ーーあらかじめ、最悪のケースを常に想定した監視体制を作ることが重要です。
監視体制の実例(参考)
わたしが勤めていた園を例に挙げました。参考までにご覧ください。
【大型プールの場合】
| 〇場所 | 〇担当者 |
| プール内 | 担任(配置人数) |
| プール外 | 看護師・保育士・主任or園長(最低3名) |
*️⃣プールの出入り時:担任が誘導と監視/その他は、階段補助・シャワー補助・誘導の交代
*️⃣遊具の受け渡し:プール外の保育士に、ほぼノールックパスで渡す
*️⃣忘れ物・必要なもの:プール外の先生に声をかけ、代行してもらう)
【乳児プールの場合】
*️⃣配置人数に加え、加配保育士をつける(その人数+園長または主任も参加)
*️⃣誰がプール内に入り、誰がどこでプール外につくかを徹底して決める
*️⃣担任の役割は「誘導と監視のみ」に絞る
*️⃣着替え時間には、手が空いた補助保育士がサポートに来る体制
【プールや遊具の片づけについて】
| 大型プール | おもちゃは子どもと一緒に片づけ。 倉庫への移動は補助保育士に頼むか、午睡中に行う |
| 乳児 | タライや遊具は徐々に減らしていくが、保育士が2名以上いる場合のみ。 片づけは手が空いた補助保育士に交代してもらう |
「水深1㎝でも溺れる」という危機意識
水深が浅ければ安心ーーその考えは間違っています!
子どもの体格や突発的な動きによっては、浅い水深でも十分に溺れます。水深に関わらず、常に危機意識をもって見守ることが重要です。
忘れられない、ある講習会での言葉
何年も前に参加した講習会で、講師からこんな言葉が飛んできました。
「水を子どもの首元の深さまで入れなさい!」
なぜそう言ったのか、わかりますか?
「ここまでしないと、ちゃんと見ないじゃん」
「これくらい、大丈夫って思うでしょ!」
ものすごく厳しい言葉でしたが、本当にそうなんですよね。水深が浅ければ浅いほど、気持ちに余裕が生まれ、危機意識が甘くなってしまう。
それ以来、
わたしは水深を「子どもが座ったときの胸元あたり」に設定。そうすると、自然と今まで以上に目が離せなくなり、自分の監視意識も変わりました。
「浅すぎる水深」も、実は落とし穴のひとつ。先生が絶対に目が離せなくなる深さを意識してみてください。
「ヒヤリハット」を職員全員で共有・改善する
些細な「ヒヤリハット」であっても、それが重大事故の予兆かもしれません。職員間で積極的に共有し、具体的な改善策を検討・実施していきましょう。
わたしが経験した「ヒヤッと」場面(1,2歳児クラス)
【1歳児クラス】
- 水面に顔をつけようとする
- 鼻~口を水面につけて、水を飲もうとする
- 楽しくて、後ろに倒れようとする
- ワニさん歩きで、口が水中に入りそうになる
- テンションが上がりすぎて、ものすごい勢いで飛び跳ねる
- 滑って転倒しそうになる
- 頭から水をかぶって、溺れそうになる
【2歳児クラス】
- 潜水しようとする
- 落ちつきがなく、水しぶき・水揺れが激しい
- 友だちを押しのけながら動き、前を見ていない
- 「歩いている」つもりが、「走っている」状態になる
- 保育士の指示が、すぐに飛んでしまう
正直、本当に怖かったです!
1,2歳児でも、保育士の言葉は理解しています。でも、自分をコントロールすることはまだ難しい…。「楽しい!」「やりたい!」という気持ちが、どうしても先行してしまうんです。
こうした様子は、4歳や5歳の子どもにも見られます。
だからこそ、事故を防ぐためには、日頃からの保育士の配慮が大切なのではないでしょうか。
プール・水遊びの安全管理、管理職はどこまで関与すべき❓

プール・水遊びを、現場の保育士だけに任せっきりになっていませんか?管理職の立場にあたる方は、どれくらい関わっていますか?
「先生たちが、しっかりしているから大丈夫」
「自分の役割ではないから」ーーその認識が、大きなリスクになるのではと感じています。
子どもたちに安心・安全なプール活動を提供するためには、園長・主任含めた園全体で関わることに大きな意義があると考えます。
その理由を3点にまとめました。
現場の状況を自分の目で把握し、迅速に判断できる
子どもたちの様子、保育士の配置、死角になっている場所ーーこれらは現場に立って、初めてリアルに分かることです。
直接把握することで、より実践的な安全対策が取れるようになり、万が一の際も、迅速かつ的確な判断・指示につながります。
迅速かつ的確な判断と指示を出すことが可能になり、被害を最小限に抑えることにも繋がります☝️
管理職がいるだけで、現場の緊張感が高まる
「園長先生が見ている」という状況は、保育士一人ひとりの安全意識を自然と高めます☝️
わたし自身、園長・主任がいてくれるだけでとても安心しました。なぜなら、より質の高い監視体制になるから。
土曜保育などの管理職がいない日は、監視体制が薄く感じ、本当に不安でした。私にとっては、それくらい心強い存在でした。
担任保育士を直接サポートし、連携をスムーズにする
主任が見えない場所に立ってくれたり、不要なものを片づけてくれたり、次の動線を整えてくれたりーー気づいたらやってくれている、そんな存在でした。
そのサポートがあるからこそ、担任は子どもだけに集中できるんですよ!
監視人数を、1人でも多く
理想的な人数を確保するのが難しいときは、園長・主任も監視人数に加わるべきだではないでしょうか。
「最低人数はいるから大丈夫」ではない。1人でも2人でも、目が多いほど子どもの命は守られます!
組織全体で子どもたちの安全を守るーーその意識と体制が、何より大切です☝️
万が一事故が起きてしまったとき、どんな理由であっても言い訳にはなりません。自分自身を守るためにも、管理職も現場に加わる必要があると考えます。
現場の保育士を守るためにも!
まとめ|保育のプール・水遊びは「全員で命を守る」意識で🤝

子どもたちの安全を守ることは、保育士として最も重要な使命です!
少し補足になりますが、
わたしが勤めていた園では、園長・主任・看護師も全員が外に出て、9時半~11時半ごろまで炎天下の中で監視とサポートを続けてくれました。当然、自らの仕事は後回し。
それが当たり前の園でした。
「職員全員で子どもの命を守る」ーーその意識と体制が、子どもたちの安全につながっていたのだと、今でも強く感じています。
プール・水遊びの安全管理は、職員全員で取り組むべき課題☝️
子どもたちの大好きなプール・水遊びが、悲しい思い出にならないように。ぜひ、園全体で安全管理を見直すきっかけにしてみてください。


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